I love you に代わる言葉

I love you に代わる言葉

00.あとがき

 ※本編の方を先に御一読下さい。 「I love you に代わる言葉」完結致しました。 まず初めに、この小説を開き、そして最後まで読んでくださって、本当にありがとうございます。 心から感謝申し上げます。  このお話は、主人公...
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20.感謝の心

 帰宅して部屋に戻ると、シンはベッドに寝そべりながら雑誌を読んでいた。ただいま、と挨拶をするおねーさ……じゃない、琴葉さんをシンは無言でじっと見た後、視線をこちらに移し、今度はボクの顔をじっと見てくる。「な、なにさ……」 まるで目からビー...
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19.上天の光

 暗い部屋の中、ベッドの上に、ボクは頭の後ろで手を組み、仰向けに寝転んでいた。消灯からやや時間が経過している為、暗がりにはすっかり目が慣れ、天井の模様までもがハッキリと映る。 時刻は深夜二時を回っているが、ボクはなかなか寝付けずにいた。も...
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18.貴女に捧

 残暑は続くものの、もうすっかり秋を感じさせる、九月も中旬に差し掛かる頃、ボクは例の雑貨屋に、今井と来た。理由は言うまでもなく、以前シンと見た天使の置物を購入する為だ。 今日は土曜日。土日は基本今井の家に行く事にしているから(家を出る時約...
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17.記憶の人

 目が覚めて上体を起こすと、頭がズキッと痛んだ。風邪をひいた訳ではなさそうだが、何だか軽く頭痛がする。色々あり過ぎた所為か。 ボクは辺りを見渡した。シンの部屋に、ボクは一人だった。ケータイで時間を確認すると朝の八時で、何故ボクが今此処に一...
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16.一筋の涙

 帰宅後、ボク等三人に会話など無く、各々の動作からなる物音だけが木霊していた。 ボクはシンの部屋のベッド上で、ただ窓外の景色をぼんやりと眺めていた。シンはボクを気遣ってか部屋には入って来なかった。恐らく、リビングに居るんだろう。おねーさん...
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15.気高き姿

「――ちょっと出掛けてくるよ」 立ち上がって、シンにそれだけを告げる。雑誌を読んでいるシンは、顔を上げて此方を見た。「何処にだ?」 特に表情を変えず問い掛けてくるシンを一瞥し、「ちょっとね」 わざと意地悪く答えて扉に向かえば、背後で雑誌を...
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14.慈悲と罪

 夏休みも三分の二が過ぎ、盆を明日に迎える。明日から四日間、今井の弟が帰省するらしく、家族で墓参りに行くとの事だ。 今日、ボクは今井の家を出て、シンの家に行く。シンの家に移住するという事だ。「弟の事なんか気にすんなよ。まだこの家に居ていい...
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13.黄昏の風

 目が、覚めた。 真夏だというのに身体は汗でべたついておらず、不快感など一切感じず目覚めた。一瞬此処が何処か解らなかったが、上半身を起こし辺りを見渡せば、疑問はすぐに解消された。ああそうだ、シンの家に来てたんだったな。 ケータイで時間を確...
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12.天使の奏

 夏休みに入った。ボク等の学校は、(バカ校だからか)他校に比べて夏休みが長い。といっても、その差は数日程度のものだが。 夏休みに入った最初の土日、ボクと今井は、シンの家に遊びに行った。バイトをしているシンは、土日が休みらしい。 夏休み前に...
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